H2.54.1

アザラシ狩猟銛用木製投槍器

Throwing Board

イヌイト/エスキモー

Inuit/Eskimo

米国/アラスカ/イベトク

U.S.A./ Alaska/ Ivetok

19世紀初期

l.45.5xw.5.5

木 

投槍器は、銛や槍を遠くへ正確に投げるための道具で、木やセイウチの牙で作られる。陸獣、海獣、鳥類など、さまざまな獲物を狩猟するために使用されてきた。

投槍器を用いた銛によるアザラシ猟は、海が結氷していない春から秋にかけてカヤックに乗って行われた。この投槍器は、銛の柄の後端の溝を投槍器先端部分の突起に差し込み、銛の柄は投槍器中央の溝に固定するタイプである。

獲物をみつけたら「てこ」の原理を利用して獲物をめがけて銛を投げる。投槍器後端には手指をかける穴や溝がついており、握りやすく工夫されているため力が入りやすい。

投槍器を用いると銛の威力は倍増される。

(北方民族博物館だより No.49)

 

 

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